こひつじ幼稚園

こひつじ園だより3月号

月主題 希望

 

毎年のことながら、年度の終わりには、この一年の様々な出来事が思い出されます。日々の保育の中で、子どもたちがどのように育ち合ってこの3月を迎えるか、ねがいを込めながら見守ってきました。

そして、節目である3月の主題は「希望」。積み重ねてきた育ちがあったからこそ「希望」はやってくる、そう感じています。

長雨や大雪、厳寒は、子どもの生活に大きな支障をもたらすことはなかったけれど、経験から学ぶことが多かったように感じます。雪遊びや、氷、霜は今年いただいた恵みでもありますが、その時には厳しさを感じるものです。だからこそ、間もなく暖かな陽射しの春がやってくる、それは「希望」という言葉を連想させます。

世田谷区役所の都市農業課と農協とのコラボで実現した瀬田農業公園での作付けと収穫は、暑さの中で長い道のりを歩いての作付け、収穫は天候と生育状況で大幅に遅れて、収穫感謝の行事とは別日となりましたが、抱えきれない程大きく生長した聖護院大根やキャベツにびっくりしました。計画や調整の時には、人の力ではどうにもできない植物の育ちですが、収穫の時には得ることのできない喜びを子どもたちの満足そうな顔からもらうことができました。様々な経験のどれにも、隣り合わせた意味や苦労がありますが「希望」とはそのようにしてもたらされるのです。

子どもたちが困難な状況にある時、傍で見守る者にとっては辛くて長い時間です。早く嬉しい、楽しい日々がやってこないかと祈り、ねがいながら過ごしてきたことでしょう。

思い出してみてください、どの人の育ちにも苦のない育ちはなかったことを、「希望」は間もなくやって来ます。

園長 富田なおみ

こひつじ園だより2月号

月主題 育ち合う

 

 今年度も残り少なくなり、振り返りの季節を実感しています。特に主題が「育ち合う」となるとたくさんのエピソードが思い浮かびます。ですから、子どもたちもきっとたくさんの思い出を胸に、卒園・進級していくのだろうと思い描くのですが、先日の成人感謝礼拝に出席くださった新成人のみなさまに尋ねてみると、幼稚園での特別な思い出が浮かぶ方はありませんでした。けれども、私はそれを嬉しく感じながら聞いていました。なぜなら、それは幼稚園での生活が、まさに生活の場、特別な非日常ではなく、お家にいる時と変わらない安心できる場として過ごした証だと思えたからです。そして、在園の子どもたちにもそうであってほしいと願っています。
保育の父と言われている倉橋惣三師は、保育法の原理として、保育の仕事は子どもの自発性に驚くことが大切であると言っています。子どもは自意識を持たず、効果意識もないので、純粋で無我夢中でいられる、この自発性を育てるために、大人はくだらない干渉をしてはならないと言います。大人が子どもを思い通りにすることは簡単ですが、教育者の熱心さが子どもの自発性を損なわないように、環境を整えて子ども同士の相互教育(育ち合い)に共鳴する。共鳴性をもった察しのよい人間でないと、子どもは本当の嬉しさを身に付けることはできないと言います。子どもに何かしなさいという代わりに、私たちが実際に生活している力によって子どもは「それをしたくなる」のだと。「生活を生活で生活へ」そこに特別は必要ないのです。作品展は共鳴性が作り上げる1日です。保護者の方々にも共鳴性を発揮していただけることを願っています。

     園長 富田なおみ