こひつじ幼稚園

こひつじ園だより2月号

月主題 育ち合う

 

 今年度も残り少なくなり、振り返りの季節を実感しています。特に主題が「育ち合う」となるとたくさんのエピソードが思い浮かびます。ですから、子どもたちもきっとたくさんの思い出を胸に、卒園・進級していくのだろうと思い描くのですが、先日の成人感謝礼拝に出席くださった新成人のみなさまに尋ねてみると、幼稚園での特別な思い出が浮かぶ方はありませんでした。けれども、私はそれを嬉しく感じながら聞いていました。なぜなら、それは幼稚園での生活が、まさに生活の場、特別な非日常ではなく、お家にいる時と変わらない安心できる場として過ごした証だと思えたからです。そして、在園の子どもたちにもそうであってほしいと願っています。
保育の父と言われている倉橋惣三師は、保育法の原理として、保育の仕事は子どもの自発性に驚くことが大切であると言っています。子どもは自意識を持たず、効果意識もないので、純粋で無我夢中でいられる、この自発性を育てるために、大人はくだらない干渉をしてはならないと言います。大人が子どもを思い通りにすることは簡単ですが、教育者の熱心さが子どもの自発性を損なわないように、環境を整えて子ども同士の相互教育(育ち合い)に共鳴する。共鳴性をもった察しのよい人間でないと、子どもは本当の嬉しさを身に付けることはできないと言います。子どもに何かしなさいという代わりに、私たちが実際に生活している力によって子どもは「それをしたくなる」のだと。「生活を生活で生活へ」そこに特別は必要ないのです。作品展は共鳴性が作り上げる1日です。保護者の方々にも共鳴性を発揮していただけることを願っています。

     園長 富田なおみ